あたしは君のラブティーチャー!
陽と一緒にいた時間は、いろんなことを忘れられたけど、また現実に引き戻されるんだ。
ダメダメ。とにかく今はK大学に受かることだけを考えよう。もうこの際、お母さんと海星が再婚しようが、今はどうでもいい。
じゃないと、落ち着いて試験を受けることができそうにないから。
「そろそろ帰ろっか」
「朔乃先生」
ブランコから立ち上がったあたしを、陽が引き止めるように呼びかけた。
「ん?」
「あ、いや……元気そうで良かったなと思って」
そう言って、安心したように微笑む陽。
もしかして、ずっと、あたしのこと心配してくれてたの……?
そりゃあ、この前駅で、陽もお母さんと海星を目撃しているけど。
あまりに何も聞いてこないから、有難いと思いつつも、同時にそこまであたしのことを気にしていないんだろうとも思っていた。
でも……そうじゃなかったんだね。