あたしは君のラブティーチャー!





全部を話し終えた時には、辺りはすっかり暗くなっていた。


「……ま、こんな感じなんですよ。ぶっちゃけ元気もないし、受験に集中なんてできるわけないよ」


ハハハとあたしの乾いた笑い声が、白い息と共に冬空に消えていく。


陽は黙って俯いたまま。何も言わない。
無理もない、こんな重い話を聞いたあとでは。


あたし自身も、どうしたらいいのかどうするのが正しいのか、いまだにわからないんだから。


普通なら、「お母さん、いい人見つけたね」って祝福するところなんだろうか。
でも、海星ときちんと話したことなんてないからどういう人かもわからないし、そもそもどうしてあんな母親のことを祝福してあげなければいけないのか。


実の母親と既に確執があるというのに、血の繋がらない父親までできて、そう簡単に上手くやっていけるわけがない。


「ありがとね。話、聞いてくれ……」


「朔乃先生」



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