あたしは君のラブティーチャー!
テストが近くなったら、陽には悪いけど放課後の恋愛授業はしばらく自習にしてもらおう。
そんなことを考えていると、「そうだ!」と、陽が何かをひらめいたのかポンと手をうった。
「急にどうしたの?」
「“ギブアンドテイク”ですよ!」
……はい?
思い切り顔をしかめて、訳がわからないという表情を見せるあたし。
陽は、そんなあたしに答えるようにぺらぺらと話し始めた。さっきの練習の時とは、大違いだ。
「朔乃先生に、僕の恋愛レッスンに付き合ってもらっているお礼を、何かしたいとずっと思ってたんです。そのお礼の方法をやっと見つけました!」
「別にお礼なんてされるほどのことしてないからいいよ」
教えていることが合っているかもよくわからないのに、それで失敗するかもしれないのに、お礼なんてされるわけにはいかない。
そんなものされてしまうと、正直言ってプレッシャーでしかない。
だけど、そんなあたしの考えにはお構いなしに、陽はニコニコしている。
「今日から、僕が朔乃先生の勉強の“先生”になってあげます!」