あたしは君のラブティーチャー!




陽が、あたしの勉強の“先生”?


「朔乃先生には僕に恋愛のことを教えてもらっているので、代わりに僕が勉強を先生に教えます。どうですか?」


いや、まあ、確かに毎度最下位争いを繰り広げているあたしにとっては、とても有難い話だ。


進路に向けて、どっちにしろ勉強はしていかないととは思っていたわけだし。それを、頭の良い人に見てもらえるのは本当に助かる。


でも……。


「そういうことは、天川さんにしてあげたほうがいいんじゃないかな?そうすれば、必然的に仲良くなれると思うし。あたしのことなんか別にいいから」


陽は、少しでも好きな人に近づけるように頑張ってるのに、あたしに時間を割いてもらうのは申し訳ないと思った。


「あたしだって、頑張って勉強すればなんとか……なる、はず。だから!」


自分で言ってて自信がないのが虚しいんだけど。


「ほら、早く特訓の続きを……」


この話はもう終わり。そもそも、お礼をされるほどのことなんて一つもしてないんだから。


すると、陽は少し不満げに頬を膨らませ、その顔をずいっと寄せてあたしの目を覗き込んできた。



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