あたしは君のラブティーチャー!




「もう、朔乃先生ってば、意外と頑固なんだから〜」


わざとらしくため息をついて頭を抱える陽。
そんな姿に若干イラッとくるけど、なんとか抑えた。


「ギブアンドテイクだって言ったじゃないですか。おあいこですよ。それならいいでしょう?」


確かに、お礼と言われるよりは、“お互い様”というほうが幾分気が楽ではあるけど。


くそう、なんだか上手い具合に言いくるめられているような気がする。有明陽のくせに!


失礼なことを心の中で盛大につぶやきつつも、あたしのこの頭では、次のテストもどうせ赤点確定になってしまう。


「わ、わかったわよ……。好きにすれば」


素直に「お願いします」と言えない自分に呆れてしまった。


そんなあたしの子供な部分がわかっているのか、陽は優しく微笑んで頷いてくれた。


「じゃあ、勉強の日と、恋愛授業の日、毎日かわりばんこにしましょうね」


というわけで。


明日は化学の小テストが控えているということもあり、さっそく今日は勉強デーになった。



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