あたしは君のラブティーチャー!
予行演習
【お願いがあるんです】
陽から、そんな切実なメールが届いたのは、デートに誘った次の日の夜。
今日は金曜日だったので、陽が先生の日で、あたしの勉強を見てもらっていた。
そのあと、お互い家に帰り、あたしは夜ご飯を食べて一息ついていた頃。
新着メールを知らせるメロディが鳴り響いた。
何事かと思いきや本文を見てみると、飛び込んできたのはそんな一文。
どうしたんだろう、一体……。
スクロールさせてみると、その“お願い”の内容が書かれていた。
【実は僕、デートというものをしたことがないので、勝手がわからないんです。
だから、来週の土曜日までにきちんとエスコートできるようにしておきたくて……。
もし良かったら、朔乃先生、明日付き合ってくださいませんか?】
なるほど、そういうことか。
こう言っちゃ何だけど、まあ、あの陽がデート経験者だということは考えていなかった。
テンパってしまうだろうとは思ったけど、だからといってどう特訓してあげればいいのか、あたしもわからない。
だから、こちらからは特に「こうするよ!」とかは言わなかったんだけど、向こうからSOSが来たからには何とかするしかない。