✝真夜中の甘い蜜【瑠斗編】✝
出会い
はぁ~。今日から清高か……。
藍と別々になるのかー。辛いなー。
「羨ましい」って連呼してたけど、一体どこが?
やだな……。絶対うまくしゃべれなくなる。
「仕方ないか……」
「緋香里ー。早くしないと遅れるわよ?」
「はーい」
行きたくないー。でも行かなきゃ。
仕方ない。行くか。
じゃあ
「いってきます」
テンション低いなー。
紅 緋花里 17歳。
今日から清夜高校に通うことになりました。
男子の前では意気地なしで、
話すこともままならない私ですが、
頑張っていきたいと思います!
……なんてね。
頑張れるわけがない……。
いや、まぁ努力はしますよ?
はい。見ただけで死んじゃいそうなんですけどね。
ドンっ。
「あっ、ご、ごめ、なさい……。だ、大丈夫ですか?」
「あっ、ごめんなさい。大丈夫です。見かけない人ですね」
「あっ、え、とき、今日から、来ることになりました……」
「あぁ、転校生ですか。俺は夜桜瑠斗です。あなたは?」
「く、紅、緋香里です……」
ふぇぇ。怖いよ。助けて。
夜桜瑠斗って確か、生徒会長だっけ?
うわぁ、どうしよ。フラフラ、する……。