✝真夜中の甘い蜜【瑠斗編】✝
【瑠斗side】



「あっ、大丈夫ですか?」



目の前の少女が倒れていく。
男嫌いって聞いた記憶がある。
嫌い程度じゃなく、恐怖症なんじゃないのか?
とりあえず保健室に連れて行った方がいいですよね?



それにしても、可愛い人ですね。
やわらかそうな唇。
ふんわりとした栗色の髪。
瞳に影を落とす長い睫。
って、何考えてるんですか。
はぁ、ごめんなさい。



夜桜 瑠斗18歳。
清高の生徒会長。
でも実は人間じゃなかったり。
実はヴァンパイアなんです。
血は吸ってませんよ。
タブレットじゃないとダメなんです。
契約を交わしたら血を吸えるようになりますが。



心配ですし、起きるまで付き添うことにしますか。



「おいっ、瑠斗。早くいかないと授業始まるぞ」



「雷音。この子が起きるまで付き添うことにしました。なので、先に行っておいてくれますか?」



「おうっ、了解。なるべく早く来いよ」



ありがとうございます、そう呟いて俺はまた少女に顔を向けた。





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