オートマトン -Online- 推敲中
 病室に入り同室の他4人からも、しばらく浴衣のことでいじられ、やっと開放されて自分のベットに腰を下ろしていると、夕食が運ばれてきた。

「祥平まだかな」

 浴衣が乱れないようにベットに軽く腰をかけた体勢で、夕飯に手を伸ばす。

 器に盛られた白米は、小さな俵型に握られ、横になったままでも食べやすいように手が加えられている。

 それをつまんで口に運ぶ。

 ふと、枕元をみやれば、置きっぱなしだった携帯が光っている。

 結衣は痛みが出ないように注意しながら携帯を手に取った。

『未読メール1件』

(祥平から来れないってメールだったらどうしよう)

 動揺しながら急いでメールを確認する。

「あっ」

(キャスケさんからだ、写真つき?)

 結衣がメールを開くと、トルーワ火山の地下の鉱脈、キャスケットと2人で訪れたあの秘密の場所の写真が表示された。

 キャスケットとユイが並んで座り、こちらに手を振っている。

 ずいぶん前の写真だ。

 ユイの体に装着している防具が、初心者用だと一目で分かる。

(キャスケさんもあの時のスクリーンショット、保存しててくれたんだ)
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