オートマトン -Online- 推敲中
「がんばったって、結局、なにもうまく行かないのよ、努力するだけ無駄なの!いままでの人生、勉強ばかりして頑張ってきたのに、歩けなくて就職できなかったら、何にも意味が無い!!」

 泣いても何も変わらないのは分かっていても、ただただ悲しかった。

「努力なんかするんじゃなかった。もっと人生楽しめばよかった。…どんなに後悔しても、もう、2度と走ることはもちろん、跳ねることも友達と遊びに行くこともできないかもしれない!」

 黙ったまま力強く結衣を抱きしめていた祥平は、ゆっくりと言葉を紡ぎ始める。

「結衣は今、これまでの人生で一番辛いことを経験してるのかもしれない。辛いんだろうな、苦しいんだろうな。でも気づいてるか?今のこの辛さに比べたら、怪我をする前に結衣が感じていた仕事のトラウマに対する苦しさは、ぜんぜん大したことなくなってるだろう?―――きっと、リアルの世界には、まだまだ結衣が知らないもっと辛いことがたくさんあるから……だから結衣、今の状態はそんなに絶望的じゃないと思って、あきらめないで頑張ろう。努力は無駄じゃないよ、無駄になるかどうかは、自分の心がけ次第だから」

 頭を横に振る結衣に、必死に伝えようと祥平は結衣に語り続ける。

「結衣は大丈夫。絶対に良くなるから―――」

「良くならないわ!自分で分かるの!それに、良くなるのなら先生だってそう言うはずでしょ!!」

「結衣。治るまで俺が一緒に頑張るから。」

「頑張ったって、もう前みたいに動けるようにはならないわ!痛みが分からないくせに、そんな簡単に言わないで!!そもそも痛くも無い祥平に、言ったってどうせ意味無いんだから!!」

「……じゃあ、俺は必要ないってこと?」

 突然、祥平の口調が変わったのに結衣は気づいた。
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