オートマトン -Online- 推敲中
 ユイはルークに向かって合図を送った。

(参戦して!!)

 しっかりと舌打ちをするような表情をしてから、ルークが腰から細身の剣を抜き取るのが見えた。

「アカネちゃん!ルークも入れて!!!」

「え…」

 アカネの表情が一気に曇る。

「どうしたの?!!早くルークを!!」

 ユイの叫びに負けて、アカネがおびえながらルークをメンバーに加える。

「おまえ、俺に何回貸しを作るつもりなわけ?」

 ルークはそういいながらも、魔力を帯びさせた剣でサクッとドラゴンの足をすくう。

 ドラゴンは勢いよく前のめりに大地に倒れる。

 その衝撃で激しく大地が揺れた。

「何が貸しよ!ほんとは楽しいくせに!!」

 ユイがにやりとルークに笑いかける。

 60代レベルのプレイヤー2人が入ったパーティーはドラゴンに対して、もはや無敵以外の何者でもなかった。

 ドラゴンが完全にその体を大地に横たえるのに、時間は2分とかからなかった。


―――ユイたちはドラゴンを倒した。
―――ユイはすでに、ミッション1をクリアしています。


 ユイの目の前に、赤字でそうテロップが流れた。

「みんなは大丈夫?」

 ユイが笑顔で振り返ると、さきほどまで友好的だったアカネ以外のメンバー3人が、ユイとアカネ、ルークから距離をとっているのが見えた。

「あれ?どうしたの?」
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