オートマトン -Online- 推敲中
「待って、それはぜんぜんいいの。寝るつもりなかったのに―――」

「ユイ、疲れてんねん。そういえば、カウンセリングどうなん?」

「うん…実は面白いことに、カウンセリングの先生が条例違反して、病院閉鎖になっちゃって、ほんとに数時間前に、放り投げられたとこだよ。」

「はぁ、なにそれ?そんなこともあるんやなぁ。もう、ほんま、冷めとるわぁ。世の中、熱くないとなぁ」

「そうだよね」

 結衣はわくわくする気持ちを必死に落ち着けようとするが、どうにもならずに部屋の中を歩き回っている。

 アレキサンダーは、息つく間もなくしゃべり続ける。

「そうそう、これ大事。―――むしろこれで良かったんちゃう?そんな冷めとるとこ、行かんでいいわ」

(どうしよう、関西弁のアレキサンダーさん、超面白い!)

「そうだよね?お金も無駄だし、そんな先生に任せるぐらいなら、自分で治したほうがまだ治る見込みもあるってもんだよね」

「そうそう」

 さっきまですごいショックな事だったのにもかかわらず、いつの間にか笑いながらしゃべってる結衣がいた。

「条例違反してること、いままで気づかなかったん?」

「うーん、最近入院したりでぜんぜんカウンセリング通ってなかったから」

「あっ、それ聞こうと思ってたんだけど、怪我ってどんな感じ?」

「それが―――」

 結衣は車にはねられてから、今日までのできごとをかいつまんで説明していった。

 適度に相槌を打っていたアレキサンダーは、結衣が口を閉じると、今度はまじめな口調で話し始めた。

「それなら、俺が直接見たわけじゃないからはっきりとは言えないけど、聞いてる限りでは完治までそう長いことかからないな」

「え?なんでそんなこと分かるの?」

「だって、俺、鍼灸師だから」

「鍼灸師って…?」

「まぁ、今日ユイが診てもらった整骨院の先生と同系といえば同系」

「うそ…」
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