オートマトン -Online- 推敲中
「ああ、これってすごい貴重な縁だと思うで。ある意味、祭りのことがなかったら、連絡とって無かっただろうし、そうしたらケガの話もできんかったやん。それに、言うたら、俺はキャスケとリアルで話したこともないしな。ユイが初めて」

「ああ、それはすごいかも…」

「せやねん、だからほんま、いきなり携帯番号変えたまま教えないとか、なしな」

「しないしない。私もこの関係面白いと思うから」

「じゃあ、次は―――」

「うん」

「―――太陽神界で」

 アレキサンダーがそう言いきると、携帯の通話が切れた。

 アレキサンダーが齎した空気が結衣をとりまいていて、もう深夜だというのにまったく眠くない。

 結衣は携帯を置いて自分の足を見下ろす。

「絶対に治そっ」

 股関節から足の先までを、ゆっくり擦る。

「頑張れば絶対に治せるよ。さぁ、遅くなっちゃったけど、お風呂入ってこよ!!」

 結衣はくるりと向きを変え、部屋を出る。

「生きてれば、このくらいの怪我、あって当然よ!人生、熱くなくっちゃ!!」

 今日出会った2人の名医の熱さが、結衣の中にすっかり吸収されていた。
< 151 / 197 >

この作品をシェア

pagetop