オートマトン -Online- 推敲中
「お菓子ですか?」
「ああ」
「特には…」
立ち上がって冷蔵庫の大きなペットボトルを取りに行く。
「なんで、やらねぇよの」
「言ってませんでしたっけ?俺、離婚してますから」
「ああ、……そうけ」
ペットボトルを手に振り向くと、テーブルの前の椅子で背中を丸めた先輩がうつむいていた。
「それじゃあ、あれだな。さみしいなぁ?」
「はぁ」
大きなペットボトルからウーロン茶を、先輩の前にある空の紙コップに注ぐ。
「ああ、いいよぉ。俺自分でやっから」
「ついでですから」
向かいに座りながら自分のコップにもそそぐ。
「―――」
「―――」
最近夜勤と早朝勤務が重なることが多くて、ログインする余裕がなかったからハロウィンのことをすっかり忘れてた。
ハロウィンといえば太陽神界の恒例イベント『トリック・オア・トリート』だ。
シャテラリア城を中心に現れたお化けに扮した村人に、一般プレイヤーはお菓子をトレードし、期間限定の装飾品をもらう。
去年は1ヶ月も前からチョコレートやクッキーの素材を調達し、高調理スキルでスイーツを大量に作りおきした甲斐もあり、ハロウィン当日は一般プレイヤーに向けたバザーでかなり儲けることができた。
紙コップのウーロン茶を飲み干してから長嘆息する。
今年は、完全に出遅れた。
もう今回のイベントでの儲けは期待できないだろう。
「まぁ、平気だべよ。これから、クリスマスもあんだべ?」
「クリスマス?」
「そんときに、なんか買ってやったらいいんだよぉ」
「そうですね」
クリスマスはアクセサリースキルを持っているプレイヤーの方が儲けは出そうだが、こうなったらケーキでも作ってちまちまGoldを稼ぐしかない。
「ん?携帯か?……おまえの鳴ってるんじゃないか?」
「ああ」
「特には…」
立ち上がって冷蔵庫の大きなペットボトルを取りに行く。
「なんで、やらねぇよの」
「言ってませんでしたっけ?俺、離婚してますから」
「ああ、……そうけ」
ペットボトルを手に振り向くと、テーブルの前の椅子で背中を丸めた先輩がうつむいていた。
「それじゃあ、あれだな。さみしいなぁ?」
「はぁ」
大きなペットボトルからウーロン茶を、先輩の前にある空の紙コップに注ぐ。
「ああ、いいよぉ。俺自分でやっから」
「ついでですから」
向かいに座りながら自分のコップにもそそぐ。
「―――」
「―――」
最近夜勤と早朝勤務が重なることが多くて、ログインする余裕がなかったからハロウィンのことをすっかり忘れてた。
ハロウィンといえば太陽神界の恒例イベント『トリック・オア・トリート』だ。
シャテラリア城を中心に現れたお化けに扮した村人に、一般プレイヤーはお菓子をトレードし、期間限定の装飾品をもらう。
去年は1ヶ月も前からチョコレートやクッキーの素材を調達し、高調理スキルでスイーツを大量に作りおきした甲斐もあり、ハロウィン当日は一般プレイヤーに向けたバザーでかなり儲けることができた。
紙コップのウーロン茶を飲み干してから長嘆息する。
今年は、完全に出遅れた。
もう今回のイベントでの儲けは期待できないだろう。
「まぁ、平気だべよ。これから、クリスマスもあんだべ?」
「クリスマス?」
「そんときに、なんか買ってやったらいいんだよぉ」
「そうですね」
クリスマスはアクセサリースキルを持っているプレイヤーの方が儲けは出そうだが、こうなったらケーキでも作ってちまちまGoldを稼ぐしかない。
「ん?携帯か?……おまえの鳴ってるんじゃないか?」