オートマトン -Online- 推敲中
 2ヶ月半前、あのからくり士からのメッセージをみてびっくりした。

 初心者警備隊のギルドの話し合いやら、ギルドの解散やら。

 なにもできない口だけのやつだと思ってたのに、アレキサンダーやらキャスケットやらを捕まえて、ギルド会議から2ヶ月半、万事解決とは行かないまでも、祭りの熱は徐々に冷めてきている。

 やめる理由がなくなってしまった。

 そんなおりに届いた1通のメール。

 差出人の名を見て、通学途中の電車の中ですぐに読んだ。

 女教師の視線を避けるように、制服のズボンから携帯を取り出し、もう1度文面を確認する。



From:ユイ
Title:おーいっ(^-^)ノ


『おはよ☆
 いま受験勉強中かな?

 昨日のメールに「借りができた」って書いてあったけど、それは違うよ。わたし、ルークに『コロナタの森林』で助けてもらってるし、おまけにミッションのドラゴン退治も手伝ってもらってるし、借りがあるのは、むしろ私のほうだよ。


 ところで12月の23日予定ある?
 わたし、ひさびさにログインしようと思うんだ。
 アレキサンダーさんやキャスケさん、それにミリンさんも誘って、みんなで遊ぼうと思って。


 なんかね、『オートマトン』の公式ホームページで、クリスマス特別企画のことがアップされてて、退会した人も12月19日から1月1日まで、一時的にログインできるみたいなの。
 それでアレキサンダーさんに連絡したら、都合つくみたいで、キャスケさんとミリンさんはまだ返事待ちなんだけど、ルークもよかったら一緒に遊ばない?絶対楽しいと思う!』
 

「おーい!!!今度は携帯か?!聞く気がないなら帰ってもいいんだぞ!」

 びくっとして、顔を上げたら先生の美しい眉がつりあがっていた。

「すみません」

 まぁ、どっちにせよ。

 時間の経過はとめられない。

 なにもしなくても、状況は変わっていくんだ。

 いずれ会えなくなるのなら、会えるうちに会っておいた方がいいかもしれない。

「……太陽神界で、僕がやり残したことって、なんだろう?」

 そうつぶやきながら、空席の目立つ教室を見つめた。
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