オートマトン -Online- 推敲中
「なぜだ？」

「彼らは最近、このシャテラリア城の周りに居座って、ミッションを受けるレベルの低いプレイヤーを狩っているPlayerKillerですから」

「はっ。２人組みのPlayerKillerかよ。ＰＫも落ちたもんだ」

　ルークが肩をすくませながら言い放つ。

「俺が本物のＰＫを教えてやるよ」

　ユイはルークの腰を後ろから抱きとめる。

　からくり人形のアルメェールも、ルークのふくらはぎをつかんでいる。

「悪いことは言わない。彼らがどこかに行くまで待ったほうがいい。私たちももうずっとここで待っているのです」

　そう説明する戦士が率いる他４人のプレイヤーも、みな力なくうなずいている。

「つまり、あの２人はＰＫで、ミッションを受ける一般プレイヤーたちの妨害をしているわけだな」

「そのようね」

　キャスケットが妖艶な笑みを浮かべて、アレキサンダーのとなりに立つ。

「待ってくれ。彼らはこの太陽神界にまだ数人しかいないといわれる上限レベルの７０だ。この世界、レベル１つの違いでも、力に大きな差が出るんだぞ。いくらあんたたちが５人編成のパーティーでも勝てる見込みはないぞ」

「問題ない」

　そうアレキサンダーが威風堂々言い放った次の瞬間、戦士はアレキサンダーとキャスケットを見て、「あっ」声を上げた。

「ユイ、ルーク、ミリン。すまないが、ミッションの前に手伝って欲しい」

　アレキサンダーの言葉が終る前に、サンタ服だった３人は戦闘用の装備を全身に装着し終えていた。

「これって、警備隊の元隊長としての義務？」

　ルークがアレキサンダーに斜に構えながら問う。

「いいや。俺が気に食わないだけだ」

「ふーん」

　にやりとしながらルークは左右の腰から細身の剣を抜き両手に構えた。

　城門の２人にまず警告の声を発しているアレキサンダーに、ルークは「無駄だ」と言い捨てて走り出した。
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