オートマトン -Online- 推敲中
 アレキサンダーは、PKの2人が武器を構えるのを確認してから、戦闘態勢に入る。

「おい、やっぱりあいつルークだ!!!」

 PKの1人が叫ぶがもう遅い。

 ユイはアルメェールに攻撃命令を出しながら走り出し、キャスケットは離れた位置から援護呪文を唱えだした。

「隊長!いいんですか?!!」

「心配ない」

 その場に取り残された戦士が口惜しそうに言葉を紡ぐ。

「できれば俺がああしたかった」

「そういうことじゃありません!いま俺たちと話したあの二刀流の中衛は、この間の祭りの主のルークですよ?!!」

「だからなんだ。リーダーはあの初心者警備隊で長くこの世界の秩序を保ったアレキサンダーだ」

「アレキサンダー?でも彼はもう引退したはずじゃ?」

「でも、あの姿は間違いない」

「……彼、強いですね」

「ああ。やはりアレキサンダーはさすがだ。長くPKを倒してきただけあって、リアルのプレイヤーとの戦い方を良く知っている。それに、アレキサンダーだけじゃない。全員60レベル以下のような装備なのに、自分の能力を最大限活かして、それぞれの役割を完璧にこなしている。常識ならまず勝ち目のない戦いなのに、この勝負、余裕でアレキサンダーのパーティーの勝ちだ」

 それぞれが放つ攻防の技は、時に激しい音を出しながらぶつかりあっている。

「最高のリーダーを持ったパーティーは、これほどまでに強くなるんだ」

 戦士がそう称えてからまもなくして、戦いは終った。
< 175 / 197 >

この作品をシェア

pagetop