オートマトン -Online- 推敲中
「悪夢を見ていたようです」

 戦いを終えたばかりの満身創痍のユイの目の前に、再びムービーが流れ始めた。

 巨大なクリスタルの前で、アキス王がうずくまるユイに語りかけている。

「私も今まで自分を相手に戦っていました。自分を相手に戦うということがこれほどまでに大変とは」

 アキス王は、ユイに回復魔法をかけると、立ち上がるのを自ら膝をついて助けた。

「きっと、この暴走した魔力を止める簡単な方法はないのでしょう。魔力に打ち勝った者だけが生き残れる。―――それでは国が滅びてしまうかもしれない?いいえ、私はそうは思いません。」

 アキス王は再びクリスタルを見上げる。

「世界の住人は長らく、太陽王である私や、世界の希望であるこのシャテラリア城を心のよりどころとし、運命をゆだねてきました。しかし、それが良いことだと私は1度も思ったことはありません。それぞれの命を大切にし、それぞれの生活をしっかり過ごした上で、この太陽神界で生きることが楽しいと感じるようになって欲しいのです」

 アキス王がそう言葉を終えたとき、ユイたちの周りで数名の兵士がドサっと倒れた。

 誰もが戦いを終えたばかりの様子で、床に身を投げだしてはいるが、しっかりと呼吸をして勝者の雰囲気をかもし出していた。

「彼らも戦いを終えたようですね」

 アキス王の護衛を職とする兵士たちは、アキス王の存在に気づくと、みな痛んだ体を無理やり起こし始めた。

 それを見てアキス王は口元を微笑えませ、力強く言い放つ。

「この国は大丈夫です。約束しましょう、太陽神の名にかけて。太陽神界の住人を誰一人として失うことなく、明日の朝も必ず、最高の太陽をこの世界に呼び込むことを」

 アキス王は『魔力の間』でワープの呪文をユイに向かって唱え始めた。

「冒険者ユイ。貴女のような人をシャテラリア国はいつでも歓迎します」

 ムービーが終わり、晴れやかな音楽と共にユイの目の前にテロップが流れた。



―――ミッション3クリア。

―――ユイは『気球のパス』を手に入れた。

―――ユイは城の外にワープします。

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