オートマトン -Online- 推敲中
 ユイも気球乗り場の手前で、もらったばかりの『気球のパス』を提示した。

『すみませんが、からくり人形は召喚の腕輪の中におしまいください。気球を動かす魔力に影響があるかもしれませんので』

「えっ、うそ?」

 ユイは乗り場の外で立ち止まったままのアルメェールを振り返った。

 空洞の瞳がユイを見つめている。

「ユイ?」

 乗り込んだ気球の中からキャスケットが声を投げる。

「出発しちゃうよ?はやくー!」

 ユイはアルメェールをしぶしぶ腕輪の中に吸収して、出発直前の気球に走りこんだ。

 気球はどこまでも上昇していく。

 シャテラリア城は積み木のおもちゃのような大きさになり、十分両手で囲んむことができた。

 白銀の『スカイグレープ耕地』のはるか上空を、気球はすべるように飛んでいく。

「みんなこれからどうするの?」

 星空を見つめたまま問いかけたユイに、最初に答えたのはルークだった。

「俺は変わらず受験勉強」

 ルークに続いて、ミリンが口を開く。

「俺は、クリスマスに息子のサンタになってみる」

「わたしは―――」

「そういう意味じゃないの」

 キャスケットの言葉を遮るようにユイは、みんなをふりかえる。

「私たち……リアルで会えるのかな?」

「「「「――――」」」」
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