オートマトン -Online- 推敲中

『ユイ』

　５人が初心者島に下り立つまで、からくり人形のアルメェールはユイの召喚の腕輪の中で、必死にみんなに向かって話しかけていた。

『みんなと一緒に旅ができて本当に楽しかった。みんなは僕の最高の仲間だよ』

「あれ？」

　気球の縁に手をかけていたユイは、左腕に装備した召喚の腕輪の赤い宝石が、朝日を受けて一瞬きらりと強く光った気がした。

「？」

「どうしたの？」

　ユイの様子を見てキャスケットが話しかける。

「うーん。なんでもない♪」

　ユイはキャスケットに微笑み返す。

　キャスケットもユイのかわいらしい微笑みにつられて顔をほころばせた。

　初心者島の白い砂浜が近づいてくる。

『ユイ。

　ねぇ、ユイ。僕はここから、いつもユイの事応援してるからね』

　からくり士に操られる鉄の人形は、カシャカシャと音を立てるか、武器となることぐらいしかできなかったけれど、空洞の瞳で思うことはいつも同じだった。

『誰よりも強くなって、誰よりも優しくなって。見た人が釣られて微笑んでしまうぐらいの、今みたいな笑顔でいて。ユイ、大好きだよ』