オートマトン -Online- 推敲中
 春奈はしっかりと結衣の言葉を聞き取ったあと、考えながら口を開く。

「ねぇ、もし反対の立場だったら、結衣ちゃん、同じ事するでしょ?」

「うーん……まあね、すると思う」

「でしょ?それに、私たちがどんなに励ましたって、その言葉を素直に受け取る気持ちがなければ、何をしても力になれなかったわけだし。そう考えたら、ほら、ここまで元気になれたのは、結衣ちゃんの力なんだよ」

「そう…なのかなぁ」

「うん!そうだよ!!」

 春奈の言葉に押されて、結衣が無理やりうなずいていると、隣から美人の声で美香が訴えかける。

「結衣、さっきから私の事無視してる」

「え?」

「さっき、洋子がもらってた結衣からのプレゼントの天使の羽のピアス、どこで買ったのか、聞いてたのに」

「えー!ごめんごめん、ぜんぜん聞こえてなかった」

 結衣は美香に向き直る。

「あれはね、この駅のそばのアクセサリー雑貨屋さんで、教えてもらいながら手作りしたんだよ」

「へぇー買ったのかと思った」

「買おうかとも思ったんだけどね。……私、オンラインゲームやってるって前言ってたでしょ?」

 結衣の言葉にみんながうなずく。

「ゲームの中では、プレイヤーがアクセサリーを作ったり、料理を作ったり、装備品を作ったりできるんだけどね。これが、ゲームの中の人間関係に一役買うの。プレイヤーが相手のプレイヤーに対して好意を示すのに、プレゼントが1番手っ取り早い方法なんだ。でも、わたしはそういうスキルをあげる前に、体壊してなかなかログインできなかったから、結局スキル上げれなくて、もらうばかりで何もできずに終っちゃった。―――そんな思いもあってね、リアルなら教えてもらって数時間で完成できるし、体にも負担かからないし、みんなにたくさん助けてもらったから、今の私ができる最高のプレゼントを渡したかったんだ」

「おおーっ。結衣ちゃんありがとう」

 洋子はまた涙ぐむ、そして、思い出したように言葉を続けた。

「そういえば、結衣ちゃんオンラインゲームで知り合った人はどうしたの?」
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