オートマトン -Online- 推敲中
「結衣が見たいならいいよ」
最近の祥平は、前ほど結衣の意見を否定しなくなっていた。
それは良くないとか、考え方が甘いとか、いつまでも子供だとか。
「話したいことがあるの」
結衣は潮騒を聞きながら、真っ暗な海を見つめて言った。
その瞬間、祥平の結衣を抱きしめていた手に、力がこもる。
何を言われるのか、不安なのだろうか。
結衣は自分の顔の下にある祥平の手のひらを握る。
ただ、大きくて温かいと思っていた手のひらは、冷たい外気のせいなのか、冷えて肌色が悪くなっていた。
結衣は祥平を安心させるように、柔らかい声で言う。
「祥平の事、大好きだよ」
ぽんぽんと大きな手の甲を叩く。
「話したいことはね、私の仲間の事」
「仲間?」
「去年、私の事を支えてくれたのは、家族や祥平、美香たちだけじゃないの。あの人たちがいてくれたから……あの世界があったから……私は今こうしていられるの」
結衣は右のポケットから1枚の写真を取り出した。
からくり人形のアルメェールが持っている特殊機能であるSS(スクリーンショット)で取られた太陽神界の写真。
気球から下りたユイたちが『初心者島』の砂浜で並んで、アルメェールにとってもらったものだ。
王のようにまっすぐこちらを見据える、警備隊ギルドの元隊長アレキサンダー。
あごをあげて顔を斜めに目を細める、元PKのルーク。
にやりと笑っている高調理スキル職人であり、元廃人のミリン。
その3人の前で、優しく微笑むキャスケット。その瞳は前よりも輝きを増しているように見える。
その隣のユイは心の底から太陽神界を楽しむように、満面の笑顔を浮かべ、こちらに向かって手を振っている。
最近の祥平は、前ほど結衣の意見を否定しなくなっていた。
それは良くないとか、考え方が甘いとか、いつまでも子供だとか。
「話したいことがあるの」
結衣は潮騒を聞きながら、真っ暗な海を見つめて言った。
その瞬間、祥平の結衣を抱きしめていた手に、力がこもる。
何を言われるのか、不安なのだろうか。
結衣は自分の顔の下にある祥平の手のひらを握る。
ただ、大きくて温かいと思っていた手のひらは、冷たい外気のせいなのか、冷えて肌色が悪くなっていた。
結衣は祥平を安心させるように、柔らかい声で言う。
「祥平の事、大好きだよ」
ぽんぽんと大きな手の甲を叩く。
「話したいことはね、私の仲間の事」
「仲間?」
「去年、私の事を支えてくれたのは、家族や祥平、美香たちだけじゃないの。あの人たちがいてくれたから……あの世界があったから……私は今こうしていられるの」
結衣は右のポケットから1枚の写真を取り出した。
からくり人形のアルメェールが持っている特殊機能であるSS(スクリーンショット)で取られた太陽神界の写真。
気球から下りたユイたちが『初心者島』の砂浜で並んで、アルメェールにとってもらったものだ。
王のようにまっすぐこちらを見据える、警備隊ギルドの元隊長アレキサンダー。
あごをあげて顔を斜めに目を細める、元PKのルーク。
にやりと笑っている高調理スキル職人であり、元廃人のミリン。
その3人の前で、優しく微笑むキャスケット。その瞳は前よりも輝きを増しているように見える。
その隣のユイは心の底から太陽神界を楽しむように、満面の笑顔を浮かべ、こちらに向かって手を振っている。