オートマトン -Online- 推敲中
「やべ……」

 レギンスの男の足が視界で一歩下がる。

「俺が船に乗ったときは、こいつと二人だったはずなのにどうして」

「さて、どうしてかしら」

 甲板に先ほどとは比べ物にならないくらいの閃光が走った。

 ユイは目をつむりたくても、倒されたせいで1ミリも動けなかった。

 爆音は、しなかった。

 ただ閃光が止んで、甲板が静かになった。

 ぽさり、とユイの顔の前にトレジャーバックが落ちてくる。

 続いて、どさりと重い音が聞こえた。

 レギンスの男も相当な強さだったのに、一瞬で倒してしまうなんて。

 私、助かったのかな?…でも、もう死んでるし、助かるも何もないか…

「待っててね、今よみがえらすから」

 女の声がすぐ近くでした。

 ユイの視界に雪のような小さく白い光が、フワフワと舞い始めた。

 それと同時に体に感覚が戻ってくる。

「もう大丈夫よ」

 ユイは女の言葉に安堵のため息を吐き出して、体を動かした。

 そしてゆっくりと立ち上がる。

 雪のような光はユイの体の周りからすぅーと消えた。

 白地に紫のラインが入ったローブの女がユイの目の前で優しく笑っていた。
< 2 / 197 >

この作品をシェア

pagetop