オートマトン -Online- 推敲中
「はぁぁ助かりました、ありがとうございました」

　ユイは深く頭を下げた。

「いいえ、むしろ倒される前に助けてあげられなくてごめんね。ログインしたら、もうあなたは倒れてて、オートマトンが壊されるところだったの」

　ユイははっとして、甲板を見回し、破壊されたオートマトンに駆け寄った。

「アルメェール」

　ユイは膝丈ほどしかない小さなからくり人形を抱き上げた。

　私が先に戦闘不能になったから、さっきのレギンスの男がアルメェールに近寄ったとき、動いて逃げることさえできなかったはず。

「ごめんね、アルメェール」

　ユイがオートマトンを抱きしめると、空洞の多い鉄の体はガラガラと外れ、甲板に音を立てて散らばった。
　
　はじめてこの世界に生まれたときから、一緒だった唯一の仲間の無残な姿に、ユイは泣きそうになる。

「大丈夫よ、この先のエリアにある港町には、からくりの修理屋がたくさんいるから、すぐ元に戻せるわよ。」

「ほんとう？」

　アルメェールの残骸が淡い光を帯びたかと思うと、小さな光の玉になって、ユイの左腕に装着しているオートマトンを召喚する腕輪に自動的に吸収された。

「うん。でも、ちょっとお金がかかるけど。」
< 3 / 197 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop