オートマトン -Online- 推敲中
キャスケットはユイの横顔を見つめた。
「はじめての船旅にしてはちょっと厳しかったかしら?」
「う、うん……まさか同じプレイヤーに殺されるなんて思わなかったし」
「そうね。でも、ここから先のエリアはPKがもっと増えるわ」
「PK?」
「PlayerKillerの略。一般のゲームのプレイヤーが同じプレイヤーを殺すとそう呼ばれるようになるの。さっきのあなたが、まさにPKされた状態」
「…なるほど」
「船に乗る前にいた小さな島からこのゲームは始まっただろうけど、あのエリアはPKできない仕様になってるの。初心者がいきなり殺されないように。でも―――」
キャスケットは船縁に手を置いて、大陸を見据えた。
「―――ここからは違う。このオンラインゲームが始まって1年、PKもかなりの人数になっているの。だから、私は時間のあるときに友人と一緒に、この船の中とかあの大陸のエリアで、初心者の警備をしてるのよ」
「正義の味方なんだね。でも意外かも。もう公開されて1年たってるゲームだから、あまり初心者はいないのかと思ってた」
「ううん、毎日新しいプレイヤーが何人も入ってくるわ」
「じゃあ、警備に忙しいね」
「まあね。でも、さっきのユイみたいな状況はめずらしいかな。普段は、こんなに船の中がすいてることなんてめったにないの。初心者を狙ってるのはPKだけじゃなくてね……って、そんなに怖い顔しなくても大丈夫。狙ってるっていっても倒そうとしてるわけじゃなくて、ほら、ギルドって聞いたことある?」
「ううん」
「このゲームの説明書読んでないでしょ?ギルドはね、同じような目的を達成するために集まった人たちで構成されたグループのこと。たとえば、プレイヤー向けに貴重な装備品を集めて売ったり、大人数じゃないと倒せない珍しいモンスターを倒したりね。そういう人が新しいギルドメンバーを勧誘するために、まだどこにも属してない初心者が利用するこの船に乗るのよ。」
「へぇぇ。もしかして、キャスケットさんの警備隊もギルドなんですか?」
「そうね。そんなかたっくるしい感じじゃなくて、自由にやりたいときだけって感じだけどね」
キャスケットが口を閉じた瞬間、―到着しました―というテロップが突然、ユイたちの目の前に流れた。
「はじめての船旅にしてはちょっと厳しかったかしら?」
「う、うん……まさか同じプレイヤーに殺されるなんて思わなかったし」
「そうね。でも、ここから先のエリアはPKがもっと増えるわ」
「PK?」
「PlayerKillerの略。一般のゲームのプレイヤーが同じプレイヤーを殺すとそう呼ばれるようになるの。さっきのあなたが、まさにPKされた状態」
「…なるほど」
「船に乗る前にいた小さな島からこのゲームは始まっただろうけど、あのエリアはPKできない仕様になってるの。初心者がいきなり殺されないように。でも―――」
キャスケットは船縁に手を置いて、大陸を見据えた。
「―――ここからは違う。このオンラインゲームが始まって1年、PKもかなりの人数になっているの。だから、私は時間のあるときに友人と一緒に、この船の中とかあの大陸のエリアで、初心者の警備をしてるのよ」
「正義の味方なんだね。でも意外かも。もう公開されて1年たってるゲームだから、あまり初心者はいないのかと思ってた」
「ううん、毎日新しいプレイヤーが何人も入ってくるわ」
「じゃあ、警備に忙しいね」
「まあね。でも、さっきのユイみたいな状況はめずらしいかな。普段は、こんなに船の中がすいてることなんてめったにないの。初心者を狙ってるのはPKだけじゃなくてね……って、そんなに怖い顔しなくても大丈夫。狙ってるっていっても倒そうとしてるわけじゃなくて、ほら、ギルドって聞いたことある?」
「ううん」
「このゲームの説明書読んでないでしょ?ギルドはね、同じような目的を達成するために集まった人たちで構成されたグループのこと。たとえば、プレイヤー向けに貴重な装備品を集めて売ったり、大人数じゃないと倒せない珍しいモンスターを倒したりね。そういう人が新しいギルドメンバーを勧誘するために、まだどこにも属してない初心者が利用するこの船に乗るのよ。」
「へぇぇ。もしかして、キャスケットさんの警備隊もギルドなんですか?」
「そうね。そんなかたっくるしい感じじゃなくて、自由にやりたいときだけって感じだけどね」
キャスケットが口を閉じた瞬間、―到着しました―というテロップが突然、ユイたちの目の前に流れた。