オートマトン -Online- 推敲中
 パソコンを落とした部屋の中で、時計の秒針の音が異様なほど大きく響いている。

(カウンセリングかぁ。なに着ていこう……そういえば、しばらく美容院も行ってなかったっけ)

 なにげなく机から鏡を取り出して見てみると、あまりの悲惨さに結衣は、げんなりした。

 目は充血してクマができているし、肌はかさかさで水分もつやもない。

(……これじゃまるで、廃人みたい)


『夢中になれる、生きることに結びつくこと』


(……こんな人間には無理だよ)

 結衣はパソコンの前から立ち上がって、明日着ていく洋服を探し始める。

(カウンセリングって……わたし、頭、変なのかな?)

 クローゼットの中をかき回しているだけの結衣には、いつまで経っても着ていきたい洋服が見つからなかった。
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