オートマトン -Online- 推敲中
「あしたはごめん、もう約束があるの」

『なら月曜の昼休みに大学のいつもの噴水で会おう、なにもできない自分が嫌になってきた』

「何急に。そんなことないよ、私は大丈夫だから」

『会いたいんだよ。―――ああ、家ついたから掛けなおすよ』

「あっ、いいよ。ちょっと声聞きたかっただけだから、これから精神科の宿題やらなきゃいけないし」

『宿題?』

 結衣はパソコンの前に座って、しゃべりながらカバンから精神科でもらった用紙の束を取り出した。

「うん、宿題って言ってもアンケートみたいな感じなんだけど。帰ってくるときバスの中で少し見たんだけどね。ほら、これなんか」

 結衣は用紙をめくりながら続ける。

「あなたはストレスを感じたらどうしますか?っていう行動を問うタイプと、喉が乾きやすいですか?とか、平熱は?とか体調を問うタイプと、兄弟についてどう思いますか?っていう思考を問うタイプにだいたい分かれてるみたい」

『彼氏についてどう思いますか?』

「それは書いてない」

 結衣が笑いながら答える。

「ないのかよ」

「うん。―――じゃあ、月曜ね」

 そう言って携帯をきる。
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