アイスクリーム男子の作り方【アイスクリームの美味しい食し方番外編】
痛くもなかったはずなのに、
しっかり口の中が切れていた。

仲間と合流し、
ただ町を徘徊した。

「なぁに?新くん元気ないねー。」
女が死ぬほど寄ってくる。

俺は、そいつを睨んで、
腕に絡めた手を払った。


「お前なんて、新の相手になんかなんねーよ。俺にしとけって。」

仲間の男がそう言った。


「えー、何それ。むかつく。」
女はその男の腕に張り付いた。

「ほら、あれくらい、可愛くなきゃ。
行ってこいよ、お前。
新のために用意してやれよ。」

違う仲間にそう言うと、
そこにいたやつらが、
その子に目を向けた。

俺は、
ただその様子を見物していた。

「そこの子、ストーップ!」
早速、男たちはその女を囲んだ。

「ちょ、超かわいい!」
「え?何?JC?JS?
俺、ロリコンじゃないけど、
マジたまんねーんだけど。」

なんだ、あいつ。
同い年くらいか?
なんで、でけーうさぎのぬいぐるみ
抱いてるわけ?

「あれ?あれれ?
泣いちゃったのぅ??」
「1人でさみしくなっちゃった?」
「お兄さんたちと
楽しいことして遊ぼうよ。」

つか、パジャマじゃね?
ワンピースだけど、
間違いない。

「やばい。俺が食いてー。」

多分、スイッチは入っていた。
カチン、て音がしたんだ。


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