アイスクリーム男子の作り方【アイスクリームの美味しい食し方番外編】
あぁ、そっか。
泣けばよかったんだなぁ。
彼女も俺も。
さっき、店長にも泣けばよかったんだ。
本音をぶちまけて、暴れて、
最初からそうすりゃぁよかったんだ。


俺は、ぬいぐるみごと抱きしめた
彼女の感触を噛み締めながら、
思った。


そしたら、
こうして、抱きしめてくれたかもしれない。
店長は、そうしようとしてたのかな。


ただ、最初から、
大人な言うことも信じず、
聞こうともせず、
諦めていた。


「俺も寂しいんだ。」

涙が伝うのを感じた。

だって、熱があったから。


涙には、熱があったんだ。


彼女から熱が伝わってきて、
初めて思ったんだ。

自分が氷みたいに
冷え切っていたことを。

俺は、自分の目から
涙がこぼれるのを
自分の目で確認した。



暗くて冷たい目を
俺がしていたことを。
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