アイスクリーム男子の作り方【アイスクリームの美味しい食し方番外編】
チカが受けるらしい高校は、
上から2番目の進学校だった。

しかも私立は受けないようだった。

塾にも行かず、
図書館でよく勉強をしていた。



「お前、なんでわざわざ、ランク下げるんだ?」

先生がそう言った。

「ですよね。
好きな子と同じ高校に行くなんて、
気持ち悪いですよね。」

俺は思わず、
本音を話してしまった。

担任の福島先生は、
割腹のいい気さくな先生で、
なんというか優しい雰囲気なのだ。

「お前、好きなやつがいんのか。」

「はい。」

俺は、怒られるのを覚悟で言った。


「いいんじゃないか?」
「へ?」


俺は頭を上げた。



「お前はクールすぎるからな。
人生は一回しかないが
何回でもやり直せる。
でも、青春はやり直せない。

そこに行かなきゃだめなやつは、
どこ行ってもだめだ。

どこに行っても頑張れるやつは、
どこでも大丈夫だ。

お前の好きなようにすればいい。」

「…。」


俺は、
それが何故か
学力のことを言ってると
思わなかった。

福島先生は、
最後に一言言ってくれた。

「でも、忘れんな。

行きたくても行けないやつがいるんだ。
それが受験だ。」

先生の言葉は、
俺の心に刺さった。


「…少し考えさせてください。」

俺は頭を下げて、
指導室を出た。
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