アイスクリーム男子の作り方【アイスクリームの美味しい食し方番外編】
俺は思わず、
近くの電信柱に隠れた。

何故なら、
その愛らしいチカ本人が、
友人と道の向こうから歩いてきたからだ。

どうやら、
家に友人を連れてきたらしい。

2人とも参考書を手にして、
勉強の話をしているようだ。


一瞬しか聞こえなかったが、
確かに聞いた。


「チカ、ありがとう。
さすがだね。すっごく分かりやすいよ。」

「へへっ。」
か、可憐だ。

「ランク上げたらいいのに。
絶対受かるよ!」

「や。うちは、私立には行けないから、
一番上は落ちたら困るんだ。」

友人の言葉に、
笑ってチカは答えた。

それから、
友人と、自分の部屋へと
上がって行った。

俺は情けなくてたまらなかった。

もう、そのあと、
どうやって家に帰ったかも記憶にない。

ただ、自分の幼さに
愕然としたのだ。
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