アイスクリーム男子の作り方【アイスクリームの美味しい食し方番外編】
良さんとつぐみさん、
つぐみさんは、涙を浮かべている。
この2人には、
散々世話になった。
ケンカした日も嬉しかった日も
自分たちのことのように
一緒に悩み、喜んでくれた。
これからも、公私共に
よろしくお願いします。

驚いたのは、
泣いている母さんだ。

きっと辛い日があったはずだ。
ちゃんと分かってるよ。
俺の誕生日を間違えたなんて嘘だ。
最初から考えてたんだろう?
まさか、母が、チカと、
港の叔父さんのところへ行き、
墓参りをし、
この場を設けてくれるとは、
夢にも思わなかったけど。

一生分のわがままを叶えてくれて、
ありがとう。


姉さんが、
俺を、売り場の前、
中央に立たせた。

姉さんには、申し訳ないことをした。
今なら分かるよ。
ずっと辛かったこと。
幼すぎる自分を何度も責めたんだろ?
俺は、姉さんを尊敬している。

強くて、素直で、
人を愛することを教えてくれた人。


両脇には
2人の父がいた。

父さんは、
大事な時は必ず帰ってきてくれた。
俺たちを受け入れてくれ、
多大なる応援をしてくれた。
実の父にしかできないことを
きちんとしてくれた。

きっと、世間が見たら、
なんて親だと思うかもしれない。

でも、俺にとっては、
最高の親父だよ。


そして、店長。
お礼を言っても言い足りない。
だけど、言わせて欲しい。
10年間、育ててくれて、
ありがとうございました。

俺は、2人に頭を下げた。




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