アイスクリーム男子の作り方【アイスクリームの美味しい食し方番外編】

叔父さんが、
店の扉を開けると、
白いワンピースを着たチカが
そこに立っていた。
頭には、姉さんから借りた
ヴェールが着けられている。

そして、その手には、
お母さんの写真があった。

「…綺麗だ。」

思わず言葉を発してしまった。

叔父さんがエスコートをし、
こちらに
一歩づつ足を進めてくる。

一歩づつ、
2人の距離が縮まる度、
今までのことが、
頭と心を駆け抜けた。


チカは嬉しそうに笑っていた。


俺は、その光景が、
映画のワンシーンみたいで、
見惚れるしかなかった。

チカのお母さんが
生きている間に
こんな場を用意してあげたかった。

だけど、
毎日見ているお母さんの顔は、
不思議と、今までで一番
幸せそうに見えたのだ。

きっと、
チカのそばで、
チカをずっと支えている。

俺はそう確信した。


お母さん、
ありがとうございます。