ドロップは涙味
◇◇◇◇
「大翔くん、日向。ちょっといい?」

「うん、いいよ」

お母さんは私達をリビングに呼んだ。

「今から、話があるの。ちょっと聞いてくれる?」

首を縦に振る。

お母さんは持っていたコップをテーブルに置いた。

「………あなた達2人はね、いとこじゃないの。…本当は。」

嘘…?

「大翔くんのお父さんと、日向のお父さん、同じなのよ。

お父さんは、私と結婚する前に、1度結婚していてね。離婚してから、すぐに私と結婚したの。

お父さんの前の人が、アメリカ人の綺麗な人だった…。

そう。大翔くんのお母さん。離婚するときに、お腹に赤ちゃんがいた。

それが、大翔くん。

そして、お父さんと結婚したときに、私もお腹に赤ちゃんがいた。

それが日向。

それからお父さんは、お仕事で飛行機に乗った時に、事故で…」

お母さんの瞳には、涙が溜まっていた。

「日向と大翔くんは、母親の違う兄妹なの。もう高校2年生だから、言おうと思って。

この事は、瀬戸家はみんな知ってるわ。おばあちゃんも、おじいちゃんも。

おじいちゃんは今はもういないけれど、あなた達のこと、すごく可愛がっていたのよ。

小さい頃に。2人とも、お父さんの子供の頃にそっくりだって、笑ってたわ。」

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