ドロップは涙味
しばらくすると、弘樹くんらしき足音が聞こえてきた。

「ほいっ」

ピトリ。

「ひゃあっ⁉︎」

イタズラっぽい笑顔で弘樹くんが差し出したのは、私の好きなジュース。

「なんで、これ…?」

「ひーちゃん、遅くまで頑張ってるの、知ってたから。
だから今日こそ、お疲れさまって言おうって…」

「…私のために、わざわざ来たの?」

「まあ、そんなとこ。」

弘樹くんは恥ずかしそうに髪をいじった。

「ありがと…」

「っていうかさ、ひーちゃん?」

弘樹くんは、私の前の席に座った。

「ん?」
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