ドロップは涙味
◇◇◇◇
ピピピピッ ピピピピッ。

「んーー…」

朝かー…。

「…あ、」

…そうだ。

『圭』

『圭、今日一緒に学校行ける?』

とメールを打った。

♪~☆♪~☆♪~☆♪~☆

1分ほどたった時、返信が届いた。

『いいよ。迎えに行くから、家で待ってて。』

『分かった』

30分後。

制服に着替えたところで、インターホンが鳴った。

「圭。ありがとね。」

「別に大丈夫。」

…圭は、私と別れてから、すごく優しくなった。

別れて、友達になってから、すごく優しい。

圭といると、呼吸が楽になる。

全てを、預けたくなる。

弘樹くんとは、全然違う感じだ。

弘樹くんは、ぐいっと手を引っ張ってくれる感じ。

「ほら、日向。カバン、貸して」

「え、いいよ別に」

「いいのいいの」

と言って聞かなかったから、仕方なく預けた。

「…ありがと」

「え?なに?聞こえなかった」

「なんにもですー!べーだ!」

「ぶっ。素直になれよ、ありがとって。」

「ちょ、吹き出さないで…って、聞こえてたの⁉︎ばかばかばか!」

「あははははっ」

「こらぁーー!」

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