ドロップは涙味
屋上まで走って、ぺたんと座り込んだ。

「夕…ごめんね」

圭と仲良くしてるんだもん。

私が悪いよね…。

「…君、泣いてるの?」

「えっ?」

「…やっぱり泣いてる。」

優しく涙を拭われる。

…私、泣いてたんだ。

「大丈夫?」

「大丈夫じゃ、ないです…」

「…俺、吉高 奏多。3年。」

「あ、はい…って、あれ?今、授業中じゃ…」

「俺さぁ、授業キライなんだよねー。だから、出てない」

へへっと笑って、奏多センパイは笑った。

「君は?なんで走ってきたの?」

「…あ、あの…最近色んな事が1度に起こって、疲れちゃって…。」

この人になら、打ち明けられる。

そう思った。

「そっか。人間って、面倒な生き物だよなあ」

「…はい」

雲が、青空を包んでいた。
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