ドロップは涙味
◇◇◇◇
「あっ、圭!ゲーセンがある!行こう!」

グイッと手を引いた。

「しょうがないなぁ〜」

ーーー「…これ、もしかして…『にゃにゃ』⁉︎」

「そーだね‼︎取ろう取ろう!」

◇◇◇◇
「うー、重いー」

私の両腕には、ぬいぐるみやらお菓子やらが詰め込まれていた。

圭、UFOキャッチャー上手すぎるよ…。

「ほら、袋に入れて。持つよ。」

「うん、ありがとー…っ‼︎」

「日向?」

「…」

「日向、、…っ‼︎」

私達の真正面を、弘樹くんが通り過ぎた。

…女の子と一緒に。

「…」

「日向、大丈夫か?」

「ん、大丈夫…」

「とりあえず、落ち着こう?」と言って、背中を撫でてくれる。

近くのベンチに座って、しばらく夕日を眺めていたら、涙が溢れてきた。

「私、バカだな…」

圭は何も言わず、静かに背中を撫でる。

「弘樹くん、きっと元からああいう人だったんだよ。私達を、騙したいだけだ…」

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