ドロップは涙味
◇◇◇◇
♪~☆♪~☆♪~☆♪~☆

「んっ」

圭からだ。

『今日花火大会だぞ。6時に、駅集合』

『分かった』と返事して、クローゼットの中から浴衣を取り出す。

白がベースで、蝶の柄の浴衣。

私には大人っぽすぎると思うけど…。

もう高1だし、少し背伸びしても、いいよね?

長くなった髪は、少し下の位置でお団子にして、蝶のアクセを付けた。

「うんっ、いい感じ。」

少ししてから、家を出た。

少し歩いていると、ニヤニヤしている男の人が数人、歩いてきた。

「ねえ、暇〜?俺達と遊ばない?お姉ちゃん、可愛いし♡」

「…これから花火大会なので…」

「いいじゃん」と言って、腕を掴まれた。

気付くと私は叫んでいた。

「弘樹くんっっ!!!!」

「日向!?」

本当に、弘樹くんがいた。

「おい、お前ら。…コイツ、俺の彼女だから離れろ」

「チッ…何だよ」

そう吐き捨てて、男の人達は走っていった。

なんで、私……弘樹くんの名前を呼んじゃったんだろ…。
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