【短編】森田当麻の奇妙な出逢い



優衣ちゃんと距離が縮まったような気がしたし、それに、お兄ちゃんと再会したのは決して悲しくない、大切な思い出。

私は肩をすくめて笑うと、窓の外を見た。

うちつける激しい雨。
いつも雨を見ると思い出す。

「私とお兄ちゃんが再会したのは、今から5年前。そのときもこんな風にどしゃ降りの雨の日だったんだ」





雨の香りが、私は好きだった。

お兄ちゃんの匂いがするから。









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