ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人
ぼくの住む木更津。
その木更津駅の前にあるぼくの職場。
《ベガス》というパチンコ屋だ。
この木更津駅前の他に3店舗ある。
今日の現場はここだ。

店員ではない。
4店舗の統括マネージャーである山口さん。ぼく達はぐっさんと呼んでいる。
中々の悪でクセ者、そして頭がキレる。


ぐっさんと組んでパチンコの機械に裏ロムを仕掛けてある。
1店舗に20~25台位は仕込んであるのだ、ある一定の法則で玉を打つと大当たりする。

ぼくは打ち子と言われるバイトを30人位は雇っている。

中国人のゴト師のように派手に稼ごうとは思わないのが、ぼくのモットー。

ベガスに様子を見にいく。普通にパチンコをやって、誰が来て何箱出していて、とかを見に行く。
現場では打ち子とは絶対しゃべらない。
ぼくは裏ロムの入っていない台で適当に打って、ぶらぶら見て帰る。
時々本当に出て勝つ事があるから笑える。

ベガスに着いて間もなく、また和人さんから電話がきた。

『もしもーし』
しつこいので出た。

『おい、和人!頼みがあんだよ!』

きた…

『なんすか?』
『電話じゃなんだからよ…夜お前ん家に行くよ』

…和人さんの頼み?
嫌な予感を感じざるを得ない。

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