ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人
はじめての喧嘩
ぼくはとある講習会に来ていた。
健も一緒だ。


『なんかこういうセミナー多くないすか、最近?まぁでも…いいですけどね、なんか頭良くなってる気がして』


『でも俺ら格好が浮いてるけどいいんすかね…みんなビジネスマンって感じばっかですけど…俺らのスーツ、ヤクザか総会屋ですよ』


確かに…
でもぼくは講演に集中していた。


何度か講習会やセミナーとよばれる集まりに出向いている。
しかし、わざわざ金を払って受けるのにくだらない講座もある。


受ける度に、本当にこれが自分の為になるのか、を疑う自分がいる。


今日も帰りに健に聞いてみた。


『どう思う?』


『正直今日のは身になりませんよ、単なる金取りのセミナーですよ…もっと生きた情報が欲しいっす』


…生きた情報?


『お前たまには良いこと言うなぁ、それだけでも歩いた価値はあんよ』


…ぼくは翌日大阪に飛んだ。


“会長”のやっている居酒屋に行く為である。


飛行機の中であれこれ考えていた。


かつて島荒らしの事件で脅された事を身を持って体験しているだけに緊張する。

百戦錬磨っぽい会長の事だ何か学んでこれそう、そんな気分だ。
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