ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人
ぼくはテレビの野球を見ながら飲む。
会長は奥に入りエプロンを腰に巻いて出て来た。


ぼくはそのまま飲み続ける、野球を見ながら。


この日はただ飲んで終わった。
帰りに会長が…


『兄さん、おおきに、また来たってや』

…これだけだった。

ホテルに帰り健に電話する。

仕事の方は特に変わりなし、という状態だ。


話し終わると弥生からメールが来た。


《いないじゃん?どこいんの?》


ぼくは電話をかけ大阪に来ていることを伝えた。


『大阪?なんでまた?』


『遊びに来たんだよ』


『ふ~ん、遊び…て言うか、遊んでて良いわけ?しかもなんで大阪?なんで今日なのさっ』


『別に…理由はねぇよ』


弥生がいつもよりしつこい。


酒飲んでやがるな…
面倒くせぇな。


『でかけるから切るぞ!』


会長はぼくの事など記憶に残ってないのかもしれない。


どっかで見たことはあるが、誰か?はわからないようだ。


明日また行ってみよう…


翌日大阪の街をぶらぶらと歩く。


駅前の電話ボックス。


風俗の貼り紙とサラ金の貼り紙がぎっしりと貼られている。

木更津あたりじゃすぐ剥がされるな…


< 108 / 168 >

この作品をシェア

pagetop