ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人
一軒のサラ金をみつけた。
小汚い看板に業者専門、日掛けもあり。というのが書いてある。


ぼくは中に入ってみた。


中は結構きれいな事務所だ。
受け付けに可愛い女の子がいる。

『いらっしゃいませ』

『あっ…借りるかわかんないんだけど内容を聞きに…』

『はい、ご新規のお客様ですね?』

『えぇ…』

手際良く仮審査用紙を出し必要事項に記入を促される。


…しかし、可愛い。

簡単なアンケートなどを書かされ10分くらい過ぎて審査が通り融資が可能です。との事だ。


『そう…考えてから借りるようなら、また来ます』

『いくら位のご融資希望ですか?』

『あぁ…50万程…金利はどの位…』


いろいろ聞いて帰って来た。

大手のサラ金と変わらないな…

もしよかったら、と名刺をもらった。



やっと夕方になり会長の居酒屋に来た。
既に一杯になっていた。
会長は調理場で汗かきながら焼き鳥を焼いたり、魚をさばいたりしている。


『いらっしゃい、今日は何にする?』


『生ひとつ』


おばちゃんがにこにこしながら注文をとりにきた。


…これでは会長と話す時間ないな…

たいした話す事も無いのだが…

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