ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人
翌朝…


電話がなる…


弥生からだ…


ぼくは携帯を手にもったが、その電話には出なかった。


自分の都合の良いときだけかけて来やがって…


この日、それから昼間にかけて合計12回も着信があった。


13回目。


『もしもし?』


ぼくは電話に出た。

『なんでしかとすんの?』


は?


ぼくは意味がわからない。


むしろ勝手に怒ってシカトしたのはお前だろ!


『ぶん太変わっちゃったよ、昔は朝までだってしつこく電話くれたじゃん、あたしがしつこくかけたら出てくれたじゃん…どんなに忙しくても…楽しくやろうぜって、小さい頃からあたしを守ってくれたじゃん、なんで?なんでそんなに変わっちゃったの…?』

『…』


『別に何も変わっちゃいねぇよ!っていうか、なんでお前に逆ギレされなきゃいけねぇ訳』


ツー・ツー・ツー…


切りやがった!


仕事だ仕事。


ぼくは仕事に出掛けた。


しかし正直、弥生の事は頭から離れない。


まだ泣いてんのかな…


腹が立っているのに思い出していた。



そんな自分にも腹が立っている。



昼間ミンクの前を通ってみたが店は普通に営業中だ。

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