ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人
駐車場も一杯になっている。


…結構繁盛してんだ…


普段なら寄って行きバナナジュースでもやっていく所だが、スルーした。


…なんでぼくがこんなに神経質にならなくてはいけないのか…



仕事を終え、家に帰り、シャワーを浴び、冷蔵庫からビールを出し飲む。


いつもと同じだ。


しかし…全くいつもと違う展開になった。


それは一本の電話から始まる…


『兄さん…久し振りぃ、駅で子猫をひろうたさかい、面倒みたってや!たのむわ』


そう言って電話が切れた。


会長だ。


なんの用なんだ?


しばらくして部屋のチャイムが鳴る。


インターホンをとろうとしてカメラに映っている“子猫”


カメラ目線でウインクをしている女はサラ金の女だった。


とりあえず玄関を開ける…


『惚れたかもわからん…』


『…』


『あのなぁ、たまたまやねん!たまたま駅でばったりおっちゃんに会うてん』


『…』


『駅って大阪でやで、気がついたら木更津に着いとったんよ…なんでやろ』


なんでやろ?

こっちが聞きてぇや…

会長もなんで…


どうしろってのかな…


『ビール飲む?』


『そこまで言うんやったら飲むよ』
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