ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人
弥生が置いて行った胃薬を飲みながら現場に着く。

日曜日だけに客が多い。
多い日は美味しい。
打ち子が少々出しすぎても目立たないからだ。
ぼくはこのベガスに今日来ている打ち子達6人に一人3万円抜くようにメールを飛ばして、隣町、君津にある《ニューベガス》に向かう。

ニューベガスは木更津のベガスと違って暇そうだった。

この店しまっちゃうんじゃねぇかな…
ぐっさんわかってんのか?

この店には今日は4人の打ち子。
一人1万5千円位抜けば良い事をメールで送信して、ぼくも台にすわって打ち始めた。
裏ロムの入ってない、関係の無い普通の台。

ぼくは誰かに見られている様な気がした。
ふと、右側の方を見ると昨日ミンクにいた酔っ払いの刑事だ!
一番端の角の台でパチンコをしている。

嫌な予感がする…


ぼくはトイレに行き、打ち子達に今日は引き上げるようにメールを送信して台に戻った。

翌朝。
ぼくは全員の打ち子に今日は休むようにメールを打ってた。
一応ぐっさんにも伝えた。

ここで無理したら商売に成らなくなっちゃうからな…

裏ロムの事がバレるはずないからな…
偶然なら良いけど…

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