ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人
日掛け融資ももう直ぐ100件に近くなって着ている。


なにしろ日掛けなので平日毎日集金だから1人が50件近くを回らないといけない。


順調に件数は伸ばしているがそれだけでもない。


なにしろ相手は水商売と風俗店だ。


あっちこっちから摘んでは飛ぶ店も結構ある。


弥生のサポートにひたすら回りながら仕事をさばく。


入金遅れてる奴もいる。


催促の電話も随時いれる。


幸い、咲希のセットしたシステムに遅延している人間のリストは朝一番で出る。

一々顧客リストをひっくり返すわけでもない。


ビックリするのは今はこんな事当たり前なのだ、という事を知らなかった。



携帯が鳴る。



野口だ。


『ぶんさん…おかしいんすけど…』


『ん?どした?』


『俺の客の集金…みんな健さんが行ってくれてんすけど…』

『は?なんで健が?電話したんか?』


『何回もしたんすけど電波届かないんすよ』


まさか…


『野口!今日はもういいや、事務所に戻って来てくれ』


『了解っす』


ぼくは集金予定の最後の客の店に行った。


まさか健が…


んなわけねぇよ…


とりあえず車を走らせる。
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