ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人
だが、健を疑いたくない気持ちからか、夕方普通に帰ってくるのでは…


そう思う自分もいる。



『どうだった?』


『アパートもひきはらってるっぽいな』

『マジっすか?』


『おぉ、今日の集金予定の分もほぼまわってやがんだよ…』

『弥生、金額にしていくらか調べろ!』

『うん…でもなんかあったんじゃない?まさか健ち…』

『うるっせー!早く調べろ!』


『…俺…仲間とか健さん行きそうなとこあたってみますよ』

野口はそう言って出ていった。


弥生は健がどこを集金しているのかを調べ電卓をはじき始める。


ぼくは冷蔵庫からビールを出し、一気に飲み干す。


寝室のベッドに横になり、何を考えていいのかさえ解らなくなっていた。


1時間程はボーっとしていただろうか…

コンコン!


『ぶん太?入るよー、金額出たよ…』


起き上がり事務所にしているリビングへ移動。


紙で出ている金額を見た。


217万…


『こんなに集金ねぇだろぉ!』


『うん…集金自体は117万なんだけど、今日新規の店で100万貸す事になってた所があって…』


『あって…?』


『それ確認したんだけど』
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