ぼくのまわりにいる悪い人とぼくの中にいる悪い人
ぼくは無意識にUターンをし、追いかけた。


サーフボードを積んだ2台の車をぼくも追い越した。


幾つかのカーブをまがった時に奴は見えた。


見えたが相当距離はある。


ぼくもドラテクには自信のある方だが奴も早い!


やっぱりぼくの事をわかっていて逃げている。


イコール、健の事を知っているのだ!


携帯がなっている…


『もしもし!』


『おはよー、どこいんのー?』


『おぉ弥生か、おはよー』


『だからどこいんのーって?』


『あぁわりぃ!今バトってて説明してる暇ねぇのよ!』


少し差が縮んできた…


『ふ~ん…誰と?どこで?』


『相変わらず…マイペースだな、説明してる暇ねぇって言ってんだろ!切んぞ!』


『わかった…でも野口くんがね…』



弥生はその後もしゃべっていたがよく聞いてなかった。


それは奴に追いついたからだ。


しかも意外な形で。

『とにかく今から帰るわ…』


『あっそう、でもバトルは?大丈夫?』

『ん?あぁ…リタイアだな…こりゃ…アイルトン・セナより酷ぇや…』


『気をつけてね…』

何かを知ってて逃げたのだろうが…


聞くのは無理だろう…
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